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昨今、⽔害はより一般的となり、世界中でどの⾃然災害よりも多くの被害をもたらしています。⽔害は数⽇間にわたる時や、場合によっては数十分間という短い期間で起きることもあります。そして、従来は⽔害リスクがないと考えられてきた地域でも起こりうるのです。そのため、BCP(事業継続計画)について考えるときは、⽔害が発⽣した場合に、必要なリソースを提供し、従業員を保護し、時間を節約し、物的損害を減らし、事業の再開を可能にする⽔害時緊急対策計画を含めて考えるのが賢明です。

以下の5つのステップから始めてみましょう。

 

⽔害の起こりうるリスクと影響を想定する

一年のうちで⽔害が発⽣する可能性のある時期を含め、地域の気候とリスクのある状況について検討しましょう。周辺地域に河川の堤防やダムなどの決壊リスクのある施設があるかどうかを確認し、また、最新のハザードマップを確認し、万一の場合の想定される⽔害の範囲(浸⽔位はどのくらいになるのか、浸水している期間はどのくらいか)、道路や橋が不通になった際にあなたのビジネスが受ける影響、これらについて調査し、被害レベルを想定することが必要です。

 

水害が発生する前に行う準備・対策

⽔害が発⽣しても事業を継続できるようにするための事前準備として、重要な情報と主要機器を上層階や⾼所に保管することを検討してください。防水区画、防⽔遮断装置、バックアップシステム(ディーゼル発電機、電池式照明など)の施設内設置も検討が必要です。建物内に通じる配管や下⽔管に逆⽌弁を設置し、水に弱い機器、原材料、完成品などは水濡れしないような場所に移動しておきましょう。

 

シャッター前の土のう

緊急対応チームを組織する

緊急対応チームは、社内において責任と権限が明確に定義されている必要があります。それにより、迅速な対応を行うことができます。

  • 最新の⽔害情報をどこから、どのように取得できるかなど情報の一元管理ができます。
  • 最も重要かつ緊急にリソースを必要とする業務、部署を迅速に判断・決定できます。
  • 主要な担当者、取引業者、および顧客の連絡先リストの最新のものを常に維持できます。
  • 緊急停⽌設備、ユーティ リティ設備、防災設備などを示す敷地内地図および各フロアの図⾯を管理し対応できます。

 

緊急対応手順を設定する

緊急対応チームと協働し、緊急時計画を⽴て、以下を実⾏しましょう。

  • コミュニケーション︓⽔害がビジネスに与える影響について、従業員、顧客、取引業者、⾃治体やメディアとコミュニケーションを図りましょう。
  • 従業員の安全優先︓不衛生な⽔害の泥水や感電危険から従業員を守りましょう。⽔害の発⽣時の作業には、頑丈なゴム⻑靴、防⽔⼿袋、フェイスシールドなどを着⽤するように指⽰し、浸⽔しているエリアの電気システムは感電の危険があることに注意しましょう。
  • 電源を切る︓社内の配電システムを確認し、必要のない設備、ユーティリティを停⽌し、施設から避難しましょう。
  • 建物の安全確認︓⽔害が発⽣した場合、建物に入る前に建物の安全性を確認した上で、すべての機器に損傷がないか検査しましょう。濡れた壁材などの内装を取り除き、損傷した冷暖房空調設備、 配水設備、 ガス配管、および電気配線を交換しましょう。
  • 従業員研修︓定期的に従業員に研修を実施し、⽔害が発⽣した場合の対処⽅法を理解させましょう。安全、緊急医療、および避難に関する情報を共有しましょう。

 

定期的に計画を検証し、更新する

迅速、安全、かつ適切な対応ができるよう、⽔害が起こる前に緊急措置の訓練を⾏いましょう。⽔害が起きてしまった場合には、そこから学んだ教訓に基づき⽔害時緊急対応計画を更新しましょう。

 

以上のように、⽔害に事前に備えることが大切であることがご理解できたと思います。実際に水害が起きてしまった場合には、保険で企業を守ることもできます。いつ発生するかわからない⽔害リスクに備えて計画を⽴てるにあたり、保険会社がお役に立てるかもしれません。