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RMCAリスクマネジメント塾

第9回「風水災リスクについて」

近年、台風による風水災リスクによる被害が大きくなっています。昨年の平成30年7月 豪雨では200人以上の死者を出し、今年も9月の台風15号では首都圏(特に千葉県)で風による建物等の倒壊や停電が発生し、10月の台風19号では水災によって広範囲にわたり大きな被害を受けることになりました。元々日本列島は台風が発生しやすいアジアモンスーン地域に位置しているため、風災による被害を受けやすい事が前提であり、近年の被害状況を見ても、対策が必要不可欠なリスクと言っても良いでしょう。台風については、ある程度は事前に時期や規模が分かる事から、平常時のリスク対策のみならず、台風の接近に伴う準備を自社のリスク状況に応じて行う事が求められます。

風水災リスクの特徴として最初に挙げられるのは、広域に発生する事が多く、被災した場合に復旧資材の調達が困難になって復旧が遅延し、自社に直接の被害が無くても電気・水道等のライフラインの寸断や取引先の被災等により大きな影響を受ける可能性があるという事です。2つ目は地域によって被害を受ける可能性に差異があり、同じ地域でも物件の場所や地形によってリスク状況が大きく異なります。3つ目は物件の構造や地盤、床高によって被害を受けやすいか否かが大きく異なることです。そのため、自社の所有物件の所在地や特徴によってどのような被害に遭いやすいかを把握した上で対策を検討する事が求められます。

リスク対策としては、風災防止の場合は建物の耐風化、損傷個所やシャッターの補強等が考えられますし、水災防止策としては、床面の引き上げや水に弱い設備の高所への移動、土のう・砂袋、防水板の準備や排水ポンプの設置等が考えられます。また、有事の備えとして、自家用発電用燃料や非常用の食品や飲料水等を準備しておくことも必要ですし、被害額が甚大になる可能性があるため、保険を準備しておくことも必要です。近年の風水害における保険金支払いの増加によって風水災をカバーする火災保険の保険料は今後も上昇傾向にあるため、しっかりとリスクコントロールを行い、財務力を付ける事によって効率的な保険設計を行う事が重要です。


特定非営利活動法人 日本リスクマネジャー&コンサルタント協会
副理事長 松本一成 著

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