skip to main content
第5回「健康経営への取り組みの必要性」

近年、健康経営に取り組む企業や保険代理店が増加しているようです。その背景にあるのは、精神疾患や長時間労働といったといったリスクの顕在化とそれらを改善するための働き方改革の推進、慢性的な人手不足の解消や優秀な人材の確保という現実があるかと思いますが、この傾向は保険代理店に大きく2つの視点でプラスの要素があると考えられます。

一つ目は代理店自体が健康経営に積極的に取り組む事は、個人事業から金融機関への衣替えに必要不可欠な労働基準法の遵守や労働環境の改善等の推進に繋がり、魅力的な業界へのステップに繋がると思われます。二つ目は、お客様企業の健康経営の後押しは経営の健全化と共に、GLTD等を活用した法人開拓の切り口にもなるとも考えられる事です。

健康経営とは元々米国の経営心理学者が提唱した概念で「企業の持続的成長を図る観点から従業員の健康に配慮した経営手法」を指します。つまり、従業員の健康の維持・増進が企業の生産性や収益性の向上に繋がるという観点に立って、経営的な視点から、従業員の健康管理を戦略的に実践する事です。日本においては、経済産業省が健康経営優良法人認定制度を設けており、多くの企業はこの認定基準に基づいて健康経営を実践し、認定を取得する事で組織の健全化・イメージアップを図っています。

この認定は大企業と中小規模で認定基準が異なりますが、中小企業の認定基準の大項目は、①経営理念(経営者の自覚)、②組織体制、③制度・施策実行、④評価・改善、⑤法令順守・リスクマネジメントの5項目となっています。中でも保険の活用によって後押し出来るのは、③制度・施策実行の小項目である「病気の治療と仕事の両立支援」の促進に向けた取り組みです。具体的には、GLTDを活用する事によって、病気の従業員が無理して働くのではなく、収入を補償する制度を活用する事で治療に専念し、早期の復帰を支援する事が可能になります。

人を経営資源として成り立っている中小企業にとって、働き方改革への対応や優秀な人材の確保と育成、肉体的・精神的健康に基づいたモチベーションアップや生産性の向上は企業が存続していくために必要不可欠な取り組みです。それらを支援するためにも代理店自体が率先して健康経営に取り組み、GLTD等の提供を通して健康経営の後押しをする事が求められます。

特定非営利活動法人 日本リスクマネジャー&コンサルタント協会
副理事長 松本一成 著

バックナンバー、著者の紹介