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第19回「これからの代理店経営について」

保険業界の大きな環境変化に際し、保険代理店はどのような戦略を持って存続と発展を実現していくべきなのか?その答えは代理店の強みや規模感、保有しているマーケット等によって様々だと思いますが、大きなテーマとしては「在り方の変革」「法人マーケットへのシフト」「組織化・企業化・金融機関化」の3つが考えられるではないかと思います。

一つ目は在り方の変革です。顧客本位の業務運営を通して選ばれる代理店になるには、「保険販売」を目的とした売上至上主義から脱却し、「お客様を守る」事を目的とした代理店への転換が必要不可欠です。保険を売ることだけに執着するのではなく、リスクコントロールや財務強化の支援も重要な役割ですし、保険以外のリスク対策状況や財務状況を把握しなければリスク量に応じた適切な提案も不可能です。そういったリスクマネジメントのノウハウこそが他代理店との差別化要素に繋がると思います。

次に、法人マーケットへのシフトですが、プラットフォーマー等の台頭による競争激化、少子高齢化やシェアリングによるマーケットの縮小、交通事故の減少やインシュアテックの進化等による保険料や手数料の減少を考えると、単価や付加価値が高く、高度なノウハウが求められるため競合が少なく、多様なリスクがある事で極端にマーケット減少が想定されない法人マーケットへのシフトが一つの戦略として考えられますが、ここでもリスクマネジメントのノウハウが生きて来ることが想定されます。

最期に、組織化・企業化・金融機関化です。これからは、一匹狼の集まりではなく、組織として相乗効果を発揮し、永続的なサービス提供を可能にする体制を構築し、企業としての社会的責任を認識し、ステークホルダー(顧客・保険会社・従業員)の期待に応える経営を行い、保険業法のみならず労働基準法等の企業として当然に守るべき法令等を順守する事が求められます。そして、情報の非対称性が存在する金融機関であることを認識し、常に向上心を持ち、最新の情報を収集し、倫理観と誠実性を携えることが重要となるでしょう。

 

特定非営利活動法人 日本リスクマネジャー&コンサルタント協会
副理事長 松本一成 著

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