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RMCAリスクマネジメント塾

第18回「保険業界の環境認識について」

既にご存知の通り、保険業界は大きな環境変化の真っ只中にあります。以前に緩行的な変化について説明をしましたが、正に全ての保険代理店がこの大きなリスクに直面しており、対応を求められています。緩行的変化は社内メンバーの環境認識ギャップと緊急性の欠如によって対応が難しいのが特徴であり、組織として動いている代理店においては、メンバー全員が環境を正しく認識している事が重要です。これからの代理店経営を考えて行く上で、必ず認識を共有しておくべき変化には以下のような変化が考えられます。

  1. 競争環境の変化:銀行や郵便局等の既存金融機関、保険の窓口等の来店型店舗の拡大、LINEやヤフー等のプラットフォーマーの金融サービス、百貨店やスーパー等の既にマーケットを持った巨大資本の参入、インシュアテックによるネット損保やネット生保の台頭等による競争激化。(特に個人マーケット)
  2. 業界環境の変化:保険料や保険手数料の低下、直資代理店や少額短期保険やインシュアテックサービス等の増加、直資代理店の増加や保険代理店の集約、保険会社の戦略の多様化(海外展開やAI活用、他ビジネスへの横展開等)、保険代理店の組織化や企業化等に伴う収入減少とコスト増による業務効率の改善や戦略の転換。
  3. 期待値・在り方の変化:委託型募集人の廃止や業法改正に伴うガバナンス態勢の強化及びフィデューシャリーデューティー(顧客本位の業務運営)を前提とした企業化・金融機関化、保険会社や保険商品の比較競争から代理店のサービス競争への転換による独自の強みや差別化要素の構築の必要性の高まり。
  4. 消費者環境の変化:インターネットの普及や訪問型セールスの限界、少子高齢化や車離れによるマーケットの縮小。(特に自動車については所有から使用への価値観の変化によるシェアリングやサブスクリプションモデルの浸透や自動運転・事故防止装置の進化、環境への配慮などの複数の観点からマーケットが急速に縮小する事が想定されます。)

保険代理店が継続的に存続・発展を果たすには、上記のような環境変化を全社員で認識し、真摯に向き合う事で変化する事の必要性を共有し、明確な戦略・計画に基づいた経営を行う事が求められるでしょう。


特定非営利活動法人 日本リスクマネジャー&コンサルタント協会
副理事長 松本一成 著

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