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RMCAリスクマネジメント塾

第13回「コンプライアンスについて」

コンプライアンスが日本に根付いて久しいですが、近年も大企業におけるデータ改ざんや粉飾決算、反社会的勢力との関わりなど、コンプライアンス違反に係る報道が行われています。頭ではわかっていても、違反行為が直ぐに大きな損失やペナルティに繋がらず、逆に目先の利益や、目先の困難を乗り越える事に繋がると、どうしても流されてしまう事が多いのでしょう。保険業界はお客様との情報ギャップが大きいため、他業種に比べても強い倫理観を持って誠実に仕事に向き合い、2016年5月29日の改正保険業法に基づいて、金融機関としてのガバナンス態勢を構築する事が求められます。

コンプライアンス経営で難しいのはルールを作る事ではなく、ルールを守る事ですが、先ずはメンバー全員がルールを守ることの必要性・重要性を認識し、そういう文化が会社の価値や財産に繋がるという認識を持つ事が必要だと思います。次に、必要性を理解していても、ルール自体に納得感がないと守らないため、メンバーに受け入れられるルールやルール作成の手順を踏む事が必要でしょう。その上で、ルールが全員に正しく伝わり、実践されるように教育・研修を行う事が必要です。募集プロセス等を共有する場合は、ルールの作成のみならず、手順に基づくツールを作成し、それを使った模範映像等でイメージを共有し、ロープレ等でチェックを行うような工夫も必要になるでしょう。最後に、知っている事とやっている事にはギャップが生まれる可能性もあるため、定期的にチェックを行い、実施状況を確認する事が求められます。

社内に新たなコンプライアンス文化を浸透させる事は簡単な事ではありません。長い時間軸の中で少しずつ文化は醸成されます。直ぐに結果が出ませんし、結果が見えにくく、価値も感じにくいだけに、我慢強く必要性を伝え、一つ一つの改革に愚直に取り組み、進捗状況や組織の変化・成長を確認していく事が求められます。


特定非営利活動法人 日本リスクマネジャー&コンサルタント協会
副理事長 松本一成 著

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