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第10回「法人開拓に求められる能力」

法人マーケット開拓はこれからの保険代理店にとって不可避のテーマですが、特に個人マーケットを中心に活動してきた保険代理店にとって、継続率の高い個人契約のメンテナンスを行いながらのマーケット転換は至難の業と考えられます。実際、そこに十分な時間を割く事が出来ず、中途半端な取組になっているケースも多いかと思います。しかし、環境変化に対応して存続していくためには、そんな事は言っていられません。今後は、組織としての役割分担を進め、力のある人材を法人開拓に特化させて育成する事も重要と考えられます。なぜなら新規開拓は保全業務に比較すると格段に難しく、個人と法人では求められる能力レベルも異なるからです。

具体的には、営業する上での最低条件であるビジネスマナーについても、個人であれば清潔感と言葉遣いが悪くなければ最適基準はクリアかもしれませんが、法人では加えてビジネスマンとしての立居振る舞いや会社案内や提案の準備、書類を預かる際には機密保持契約書を持参する事等がマナーとして必要になるでしょう。

コミュニケーション力についても同様に、個人では時間を掛けてヒアリングを行い、パンフレットを使った保険の説明と世間話が出来れば良いかもしれませんが、法人の場合は限られた時間の中で、幅広い情報と固有のニーズに基づいてオリジナルの提案書を作成し、複数の人間に対してプレゼンテーションを行い、如何にしてトップに話を持っていくかという事まで考える能力が求められます。

求められる知識についても、個人であれば保険商品や付随するFPの知識で良いかもしれませんが、法人の場合は加えて企業を取り巻く様々な法律やリスクの知識が必要となりますし、経営や財務、保険でカバー出来ないリスクに関する知識等も必要になってきます。

上記の事を踏まえると、誰もが法人マーケット開拓が出来る訳ではありませんし、本気で法人マーケット開拓を行うには、それに必要なスキルや知識を身に付ける時間を確保し、ロープレ等のトレーニングを行うと共に、行動量をアップして提案の場数を踏み、何度も繰り返しチャレンジを行うことが必要だと考えられます。皆様の代理店では法人開拓についてどのような取組をされていますか?

特定非営利活動法人 日本リスクマネジャー&コンサルタント協会
副理事長 松本一成 著

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