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第1回「リスクの定義」について

この連載を始めるに当たりまして、最初にリスクというものの定義について皆様と共有させて頂きたいと思います。一般的に損害保険代理店をやっていると、どうしても保険でカバー出来るリスクばかりが目に付きます。具体的には、地震・台風・火災といった自然災害や自動車事故やPL事故等のような賠償責任、経営者の死亡や従業員の労災等の人的損失をイメージする方が多いのではないかと思います。しかし、それらはリスクの一部であり、それ以外の保険ではカバー出来ないリスクが沢山ある事を理解する必要があると思います。

リスクには色々な定義がありましたが、2009年に制定されたISO31000(リスクマネジメントの国際規格)によって統一されました。その定義は「目的に対する不確かさの影響」です。従来の定義との大きな違いは「目的」と「影響」の文言が入ったことです。「目的」という文言が入ったことによって、リスクマネジメントが従来の受動的な損失を前提とした定義から目的達成の為の能動的な意味合いに変わったのが最も大きいと考えられます。目的達成を阻害する要因がリスクであり、目的達成のために能動的にリスクと向き合う事こそがリスクマネジメントであるという事が明確になりました。

「影響」については、従来はマイナス影響や損失がリスクとしてされていましたが、想定よりマイナスの場合もプラスの場合もリスクであるという定義となりました。つまり、プラス面・マイナス面の両方を持つ為替や金利や将来の為に先んじてリスクを取る投資、向き合い方によってプラスにもマイナスにもなる経営環境の変化等についてもリスクとして認識されるようになりました。事実、多くの企業は損害保険や生命保険分野ではカバー出来ない上記のようなリスクによって倒産しており、目を背ける事は出来ません。

Risk Management

ISO31000の詳細については、下記をご参照ください。

一般財団法人 日本規格協会 「リスクマネジメント規格開発情報」
https://www.jsa.or.jp/dev/iso_mngment/

 

ISO31000

企業のリスクマネジメントの目的は、様々な環境変化に柔軟に対応しながら、如何に自社の存在意義を維持し、存続・発展していけるかであり、保険代理店が顧客本位の提案を実践するためには、それを支援するためにどう保険を活用し、保険でカバー出来ないリスクにどのように向き合うかのアドバイスが求められるでしょう。

ご興味のある方は、是非ご購入のうえ体系的に学習されてみたらいかがでしょうか? 

【対訳ISO 31000:2009(JIS Q 31000:2010)リスクマネジメントの国際規格
ポケット版 (Management System ISO SERIES)】 

book

特定非営利活動法人 日本リスクマネジャー&コンサルタント協会
副理事長 松本一成 著

バックナンバー、著者の紹介